Amazon Data Lifecycle Manager(DLM)とは?
Amazon Data Lifecycle Manager(DLM)は、Amazon Web Services(AWS)のサービスの1つで、データのライフサイクル管理を支援するツールです。
データのライフサイクル管理とは、データが作成されてから使用されなくなるまでの過程全体を管理することを指します。
DLMを使うと、データのバックアップやアーカイブ、削除などのタスクを自動化できます。
たとえば、あるデータが作成された後、30日間は頻繁にアクセスされる可能性が高いが、それ以降はあまりアクセスされなくなるとします。
このような場合、DLMを使用して、データを30日後にバックアップし、60日後にアーカイブし、120日後に削除するように設定することができます。
DLMの概念を理解しやすくするために、例えば机の上に置いてある教科書やノートの管理に喩えることができます。
あなたの机の上にはたくさんの教科書やノートがありますが、使わなくなったものや古いものは整理してしまいましょう。
そのために、机の上に整理する期間や方法を決めておくと便利です。
DLMも同じような考え方で、データを整理し、必要な期間だけ保存し、必要がなくなったら削除することができるツールなのです。
Amazon Data Lifecycle Managerには、以下のような主な機能があります。
- ポリシーの作成と管理: DLMを使用して、データのライフサイクル管理ポリシーを作成し、管理することができます。
ポリシーでは、バックアップの頻度や保存期間、アーカイブのタイミング、削除のスケジュールなどを設定します。 - リソースの対象指定: DLMは、Amazon EBS(Elastic Block Store)ボリュームやAmazon Auroraデータベースなど、さまざまなAWSリソースを対象としてデータのライフサイクル管理を行うことができます。
- 自動化された操作: ポリシーに基づいてDLMが設定されると、データのバックアップ、アーカイブ、削除などの操作が自動的に実行されます。
これにより、管理者が手動でこれらのタスクを実行する手間が省けます。 - 柔軟なポリシー設定: DLMは柔軟なポリシー設定をサポートしており、異なるリソースやニーズに合わせてカスタマイズできます。
たとえば、特定のタイプのデータに対して異なる保存期間やアーカイブの方法を設定することができます。 - 監視と通知: DLMは、データのライフサイクル管理に関する監視と通知機能を提供します。
ポリシーに基づいて実行された操作やエラーなどの情報を監視し、必要に応じて通知を送信します。
これらの機能を組み合わせることで、AWS環境内でデータの効率的な管理を実現することができます。
例えば、Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)インスタンス上で動作するデータベースのバックアップと削除のシナリオを考えてみましょう。
- バックアップの自動化: EC2インスタンス上で動作するデータベースのバックアップを定期的に行いたいとします。
DLMを使用して、毎日のバックアップを実行するポリシーを設定します。
このポリシーでは、バックアップを作成する頻度や保存期間を指定します。
たとえば、毎日バックアップを作成し、最新のバックアップを7日間保持するようにポリシーを設定します。 - アーカイブの設定: 古いバックアップをアーカイブして、長期間保存する必要がある場合があります。
DLMを使用して、30日以上経過したバックアップを自動的にアーカイブするポリシーを設定します。
このポリシーでは、アーカイブするタイミングや保存場所(たとえば、Amazon S3など)を指定します。 - 削除の自動化: 古いバックアップやアーカイブされたデータを定期的に削除することで、ストレージコストを節約できます。
DLMを使用して、バックアップやアーカイブデータを定期的に削除するポリシーを設定します。
たとえば、バックアップを30日以上保持しないように設定し、古いバックアップを自動的に削除します。
このように、DLMを使用することで、EC2インスタンス上で動作するデータベースのバックアップやデータのライフサイクル管理を自動化し、効率的に実行することができます。