S3イベント通知とEventBridgeの違いとは?

 

はじめに

AWSのS3イベント通知とEventBridgeは、どちらもAWSリソース間でのイベント処理に使用されますが、それぞれの役割や使い方には違いがあります。

このブログ記事では、S3イベント通知とEventBridgeの違いを解説し、具体的な使用例も交えて説明します。

S3イベント通知とは?

S3イベント通知は、Amazon S3バケット内で特定のイベント(例:ファイルの追加や削除)が発生したときに、その情報を他のAWSサービスに通知する仕組みです。

例えば、新しい画像ファイルがS3バケットにアップロードされた際に、その情報をLambda関数に送信して画像を処理する、といった使い方ができます。

具体例:新しい画像ファイルの処理

  1. 画像アップロード:ユーザーが新しい画像ファイルをS3バケットにアップロードします。
  2. イベント通知:S3がそのアップロードイベントを検知し、設定された通知先(例:Lambda関数)に通知を送ります。
  3. 画像処理:Lambda関数が起動し、アップロードされた画像ファイルをリサイズや変換などの処理を行います。

Amazon EventBridgeとは?

Amazon EventBridgeは、AWSサービスや独自のアプリケーションからのイベントを統合的に管理し、他のAWSサービスやアプリケーションにそのイベントをルーティングするためのサービスです。

EventBridgeは、複数のソースからのイベントを集約し、ルールに基づいて適切なターゲットにイベントを配信することができます。

具体例:EC2インスタンスの異常検知

  1. 異常検知:EC2インスタンスのメトリクスに基づいてCloudWatchが異常を検知します。
  2. イベント発行:CloudWatchがEventBridgeに異常イベントを発行します。
  3. ルール適用:EventBridgeのルールに基づいて、異常イベントがSNSトピックやLambda関数に送信されます。
  4. 通知・対応SNSトピックを通じて管理者に通知が送信されたり、Lambda関数が自動的に異常対応を実行したりします。

S3イベント通知とEventBridgeの違い

  1. 目的

    • S3イベント通知:特定のS3バケット内のイベントを他のAWSサービスに通知するための仕組みです。
    • EventBridgeAWS全体や独自のアプリケーションからのイベントを集約・管理し、適切なターゲットに配信するためのサービスです。
  2. 適用範囲

    • S3イベント通知:S3バケット内のイベントに限定されます。
    • EventBridgeAWSサービス全体や独自のアプリケーションイベントを対象にできます。
  3. 柔軟性

    • S3イベント通知:設定できる通知先やイベントタイプは限定されています。
    • EventBridge:ルールに基づいて複雑な条件や複数のターゲットを設定することができます。

まとめ

S3イベント通知とEventBridgeは、どちらもAWSのイベント駆動型アーキテクチャを支える重要なサービスです。

それぞれの特徴を理解し、適切な場面で使い分けることで、効率的なシステム設計が可能になります。

具体的な使用例を参考にしながら、自分のプロジェクトに合ったサービスを選びましょう。